骨粗鬆症の発端は「姿勢の歪み」からきているのかもしれない

骨粗鬆症に苦しんでいる方、または骨密度をアップしたいと望んでいる方にとって、鍵となる一つが「姿勢」です。前回の記事では、骨を強くするためには「負荷」がかかる運動が必要であることを説明しました。しかし、それは正しい姿勢を保ちながら行われる運動が前提となります。

正しい姿勢とその重要性

適切な運動負荷を与えるためには、良好な姿勢が必要です。極度の猫背やO脚のままでは、適切に負荷を与えることが困難になります。これは筋力トレーニングだけでなく、ウォーキングやダンスなどあらゆる運動種目に当てはまります。

なぜ正しい姿勢が必要なのか?それは正しい姿勢で運動を行うことで、稼働される筋群、負荷がかかる筋群の総数が圧倒的に増えるからです。姿勢は筋肉の働きやすさ、筋力の発揮しやすさに直結しています。正しい姿勢でスクワットを行えば、それは単なる下半身のトレーニングの枠を超え、体幹部の全てを動員させる非常に運動量の高いトレーニングへ変わるでしょう。

良い姿勢は、骨密度の改善だけでなく全体的な健康状態にも良い影響を及ぼします。姿勢を改善することは、筋力を効率的に使い、運動の効果を最大化することを可能にします。また、良い姿勢を維持することで筋力が均等に分散され、骨への適切な負荷がかかります。これは、骨密度をアップさせるのに役立つだけでなく、関節痛や筋肉の過度な緊張を防ぐのにも有効です。

適切な姿勢とケガ予防

姿勢が崩れたままで運動負荷を上げてしまうと、関節、骨、神経に予期しないストレスがかかり、ケガを招くことがあります。例えば、変形性膝関節症の人がランニングを始めたり、腰椎前弯(反り腰)の人がダンスを続けると、それぞれ足首の関節を痛めたり、椎間板ヘルニアを発症する可能性があります。

姿勢が崩れている方が、骨密度アップのための運動を始めるならば、まず遠回りでも姿勢改善を図りながら並行してトレーニングを行うべきです。先ほど「正しい姿勢とその重要性」でも述べましたが、良い姿勢になればなるほど、全身の筋群の連携が上手になりますので、より負荷の高いトレーニングを行うことが可能となります。それは骨への刺激も強くなるということです。

適切な姿勢と骨密度

良好な姿勢は、骨に対する理想的な負荷を生み出します。動きの中でも姿勢の良し悪しは大きな影響を与えます。逆に、歪んだ姿勢からくる運動のクセを改善せずに運動を続けると、特定の筋肉にだけ負荷がかかり、筋肉の拘縮や骨の変形、神経の圧迫を引き起こす可能性があります。これは最終的にケガを引き起こし、本来楽しむべき運動が困難になることを意味します。

例えば、中高年の女性に非常に多いケースですが、「骨盤前傾で反り腰」という姿勢パターンがあります。色々な原因がありますが、多くの要因は股関節まわりの運動不足からくる筋拘縮です。この場合、姿勢を改善せぬまま骨のためをとランニングを行うと、過剰に前ももが発達するばかりか、膝関節を痛めてしまうかもしれません。
関節の痛みの多くは姿勢の歪みから起こります。骨格が歪んでしまうと、正しく重力を乗せることができないので、結果的に骨密度減の一因となることがあります。

まとめ:運動不足の原因と骨密度

ここで大切なことは、運動不足の根本的な原因が「歪んだ姿勢から生まれる痛み」であり、骨粗鬆症となる発端が「姿勢の歪み」である場合が多いということです。歪んだ姿勢がそのままになるほど、運動による痛みが増し、運動を避ける傾向になります。これが運動不足を引き起こし、最悪の場合、骨密度はどんどん低下していきます。

歪んだ姿勢が運動痛や骨密度低下の原因となる場合があることを理解することは、骨密度アップのための初めの一歩です。運動を始める前に、まず自分の姿勢について知識を得て、それを改善することから始めるべきです。そして、その上で骨に適切な負荷をかける種類の運動を行うことで、健康な骨密度を維持または改善することが可能になるでしょう。